ABOUT

広場を眺めてる。色々な人がどこかからどこかへ移動している。誰かを待つ、ただ立ち尽くす、思い出したり忘れたりしながら1人で帰る。何年生きてても言葉を間違える。肝心なところで手が止まって、渡せなかった手紙を捨てる。偶然通りかかった人がそれを拾って、読んでいた本の途中に挟む。寄せては返す波のように、人々は少しずつずれながら散り散りになって、やがて時代を作っていく。文芸誌らんちうの目的は、そんな広場を残すことにあります。


らんちうというタイトルは、ランチュウという金魚の名前からつけました。背びれがなく、頭部がずんぐりと大きい観賞用金魚。文筆家や研究者、活動家だけでなく、その他大勢としてかき消されてしまうような個々人の声を残しておきたいという思いから立ち上げた、小さな文芸誌です。